第47章レース・トゥ・ザ・エッジ

山道を、二台のレーシングカーが唸りを上げて駆け抜けていた。アンナの車は終始その後ろにつけたまま、どうしても前に出られない。

マイクが一流と呼ばれるのは伊達ではない。アンナの一挙手一投足を先読みし、巧みな操作で抜かせない――その経験が、走りの端々に滲んでいた。

フィニッシュラインに集まった観衆の歓声がいよいよ高まるなか、最後のコーナーが迫る。

マイクの頭には、もう札束の山が見えていた。この一件だけで、去年一年の稼ぎを軽々と超える。慢心した彼は、最後のカーブで例の“得意技”をもう一度決めるつもりでいた。

ドリフトに入り、イン側を押さえようとした、その瞬間。

凄まじい衝撃が後部バンパーを粉...

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